2 燃え立つ想い

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「俺、再来週、東京に戻るんだ」 「……っ」  え? 今、なんて言われた?  再来週? 戻る?  ……うん……うん、そっか。わかってたよ。こんな日が来るってことは。ちゃんと、わかってた。  ただ、思ってたよりも早かったってだけ……。 「そ、そう! 急やね。もう研究は終わりそうなん?」 「あぁ」 「……そう。えっと……あっ、そうや! 送別会せなあかんねっ?」 「おい」 「ご馳走いっぱい作って、盛大にお見送りしたげるから安心してね!」 「おい、こっち向けって」  振り向けるわけない。今、零央の顔を見てしまったら……。 「ケーキは何がいい? 特別にリクエストには全部応えることにするから、何でも言ってくれていいよー」 「初琉っ!」  強引に身体を半回転させられて、抱きしめられた。首の後ろに回された手は力強く、抗うことを許してはくれない。 「こんなに泣いて……何が送別会だ。ふざけんなっ。あぁ、もう! 泣きすぎだろっ!」  一度離れて、私の頬を濡らしてる涙を親指で拭ってくれるけれど、止まらない涙が次から次へと流れ落ちるのに、悪態をつき始める。  ごめん。ごめんね? 鬱陶しいよね? 「零央……離して」  どっかで、顔洗ってくるからね? 「黙れ。まだ話の続きがあるのに、勝手に先走って泣くようなヤツは、もう喋るな。これ以上、余計なこと言ったら口塞ぐぞ」 「……続き?」
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