プロローグ

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僕は「嫌いだ」って弟に面と向かって言ったことはない。 弟だって、僕の事を「嫌いだ」って言わない。 いつだって一緒に遊んでいた。 公園のグラウンドで鬼ごっこしたり、砂場で城を作ったり。 少し照れながらおままごともしたよね。 楽しかったんだ、弟があんなこと言うまでは。 「俺、中学受験する」 僕は衝撃を受けた。 中学受験自体は今の世の中何ら珍しくは無い。 学校が離れてしまうのは悲しいが、毎日家に帰ってくるのだ。 そこまで寂しくはないだろう。
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