第8章

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「何とか言ってやめさせてくんない?」  ひそひそ、と話していると、幸さん先輩も立花君の肩に手を置いて、私をじっ、と見てきた。  目が、すっごい訴えてる……。 「た、立花君は何がそんなに嫌、なの?」 「逆に、何で嫌じゃねぇの?」  逆にって。 「鶏、さばくだけじゃん」  今日、私達は動物科で飼育していた肉用の鶏を絞める。 なかなか見る事も、さばく事もないので経験になる、と生物部だけではなく、他の部からも参加者が数人来るのだ。 「さばくだけって……血、とか、出るだろ?」 「そりゃあね」  唸り声混じりのため息が二人から出た。 「……首、落としたり」  いーっ、と二人とも口を歪める。 「立花君も幸さん先輩も、血が苦手なの? あ、苦手なんですか?」
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