第8章

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 と、幸さん先輩が、ぼそっ、と言った。 「亜希、こちら、動物科二年の古世川幸太朗先輩。幸さん先輩、友達の相沢亜希です。急遽参加でも大丈夫ですよね?」  初対面の二人のために私は紹介をしてあげると、いいと思うよ、とまた幸さん先輩は、ぼそっ、と言うので。 「……どーも」  幸さん先輩もだけれど、隣に座る立花君も黒い靄がかかっているように暗いので、亜希は少し訝しげに顏を曇らせていた。 「何で二人とも、暗くなってんの?」 「二人とも、鶏さばくの嫌みたい」  ひそひそ、と私と亜希と洋ちゃんは男子二人を背にして、話し始めた。 正直、立花君も幸さん先輩もこういうのが苦手だとはちっとも思っていなくて。 立花君なんか、ひよこを見て、唐揚げ食べたい、とか言っていたし、幸さん先輩も鶏の世話もしているし、チキン南蛮が食べたい、とか言っていたし。
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