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「蝶野ちゃーん! 鳥、吊るすから手伝ってくれるー?」
と、乃々ちゃん先輩が先日から作っていた低めの物干し竿みたいなところで、吊るす様の細いロープをぶん回していた。
「はーい! 立花君、ここはいいから亜希や他の先輩達に部室、案内してあげて。荷物置かなきゃだし」
「……動物科の部室だっけ」
元気がない皮肉だなぁ。
「植物科のだよ。動物科きったないままだし。ほら立って、立花君」
と、私は手を差し出した。
すると立花君は私をじとっ、と見てきて。
うっ、私を睨んだってしょうがないでしょうよっ、決めたのは動物科で……って。
立花君が私の手を掴んできた。
ひょわっ、手、立花君の、でっかい手が、さ、触っちゃった!
そんな私の思いを全く知らない立花君は、よっ、と立ち上がると、すっ、と何事もなかったかのように手を離した。
心臓が、どきどきが煩い。
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