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それから立花君は亜希と洋ちゃん、他の先輩達と旧校舎の中へ行ってしまった。
私は鶏を吊るしつつ、ふぅっ、と煩い心臓を落ち着けようと何度もため息のように息を吐く。
まだ、す、好きだって決まったわけじゃないし、意識しちゃってるだけかもしれないし、と思っているのだけれど。
……私、本当に……。
と、まだ少しも落ち着けない、と私は、ぶんぶん、と頭を振った。
平常心、平常心だ。
「はい、もう一羽ね」
乃々ちゃん先輩は鶏を逆さに持って、足を縛って、と私に向けていた。
「しっかし男どもがあんなに使えないとはなー。立花ちゃんなんて神経図太そうだし、怖いもんないって体格してんのに」
まぁ、そう見えなくもない。
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