73人が本棚に入れています
本棚に追加
/151ページ
ス「そろそろ日高さんもREC始めようか。」
日「あ、了解ッス。」
だっちゃんは私に手を振ってブースの中へ入っていった。
さて、私はどうしよう?
今日はレコーディングだけだったからあとは丸々オフ。
ちょっとだけ、だっちゃんのレコーディング見ようかな…?
そう思いチラッとブースの中に目をやると、
さっきまでと雰囲気が全然違うだっつゃんがいた。
………いけない、不覚にもドキッとしちゃった。
ス「じゃあ、早速音流すねー。」
さっきまで聴いていた伴奏がスタジオ内に響く。
私は近くにいたスタッフさんに声をかけた。
千「あの、少し見ててもいいですか?」
そういうとスタッフさんは快く受け入れてくれ、
椅子を出してくれた。
椅子に腰かけてだっちゃんを眺める。
宝物を大切に扱うようなだっちゃんの優しい歌声は、
いつものAAAやSKY-HIの時とは違う感じだった。
日「ここのメロ~♪~♪ってしたいんですけど、どうすか?」
ス「いいね。一回やってみよう。」
積極的にアイデアを言っては歌い、
納得いかないところは何回もやり直して…。
本当にだっちゃんは音楽を愛してるんだなぁ。
すると、隣にいたスタッフさんが話しかけてきた。
ス「今日の日高さん、いつも以上にはりきってるね。」
千「そうなんですか?」
ス「うん。もちろんいつも丁寧に時間かけて作るけど、
なんか今日は、心をすっごい込めてる感じ?
伊藤さんとの曲だからかな?」
そう言ってふふっと笑うスタッフさんの言葉に思わず赤面してしまう。
その時、ガチャっという音がしてだっちゃんが帰ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!