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「何してるんだよ。俺…。」
仕事も私生活も何もかも上手くいかない。
全部が全部嫌になって、何もかも全部忘れたくて、ロクに飲めもしない酒を浴びるように喉へと流し込む。
次々と浮かんでくる涙、啜る鼻。
静寂。
1人っきりの部屋。
込み上げてくる情けなさと自分への苛立ちで、徐々にアルコールは回っていく。
そしてぶっ倒れるようにソファに倒れ込んだ。
それから・・
なんだ・・
身体が妙に熱い
酒によるそれとは違う、刺激を繰り返されることで生じる熱。
一つだけ確かなのは、いつの間にか自分が眠ってしまったことだけ。
夢の中の自分は本能のまま快楽に溺れ、理性なんて制御するものは最初から存在しないかのように、身体はうずき、熱くなっていく。
もっと触って欲しい・・
息が苦しい・・
おかしくなりそうだ
何処から押し寄せる快感かもわからぬまま、刺激をただひたすらに求め続ける。
もっと、お願い…頼むから…
『俺は誰に何を求めている』
そして俺は自分の荒い息に驚き目を覚ました。
「兄さん・・」
目を覚ますと天井は見えず、四つ下の弟の顔が俺を見降ろしていた。
「おはよ。・・起こしちゃったね」
驚き、自分は硬直していた。
吐く息は熱を帯びていた。
まだ夜は明けていない。
眠りについてからそんなに時間は経っていないのか・・。
ソファの上で押し倒されている体勢。
アルコールも回っていて、とてもじゃないが抵抗して逃げれそうには無かった。
改めて自分の状況を理解した。
「お前、いつから・・」
「・・息荒いよ兄さん」
俺の質問はまるで無視される。
「いつまで乗ってる。どけ・・」
会いたくなんてなかった。
「・・顔も赤い」
「どけ」
「・・どきたくない」
「俺はお前にどいて欲しい」
辛くなるだけだ。
「じゃあ最初から・・上に乗っかって兄さんにキスしたり色んなところ触ったりする前に抵抗してよ」
「っ」
そんなことを言われると、耳や口、首筋の湿り気に意識が行ってしまう。
そして何より、そう告げる弟との口元が濡れている事に動揺が隠せない。
俺の上にまたがりながら、身体を擦り付けるように腰を動かし始める
「兄さん・・俺、どうしたらいいかな・・」
俺は潤んだコイツの瞳を見まいと顔を背けた。
「兄さん・・俺、兄さんに触って欲しい」
切なそうに、そして我慢ならないのか、俺の身体により近づいた。
「両手縛っといて何言ってんだ・・」
俺の両手は、俺が着けていたハズのネクタイでガッチリと固定されていた。
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