プロローグ

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高校での授業が終わり、通りなれた通学路を通り一人で下校する。 「………」 無言のまま家に着く。 「ただいま」 しかし、返事は返ってこない。家族は一つ下の妹が一人で、両親は妹が高校に上がる頃に強盗に殺されてしまっていた。 妹はまだ部活動が終わっていない時間で帰ってきてはいない。 「今日の夕飯はっと…」 そう言いながら彼は冷蔵庫を漁る。 「ヤバイ…何もない…」 しかし冷蔵庫の中はほぼ空っぽで、あるのはマヨネーズやケチャップ等といった調味料、それと何故か乾電池が入っていた。 「乾電池を冷蔵庫に保存すると長持ちするっていうのはデマなのにな…、それはともかく買い物行ってくるか」 自転車にまたがり近くのスーパーに向かう。するといきなりヒューという風の音ではないが、なにかしらの音が聞こえた。 しかもその音は徐々に大きくなっている。 「は?」 そう思い、音のする方に、つまり空を自転車を停めて見てみると一本の先端が尖った棒が飛んできた。 しかも 「何で真っ直ぐ俺に向かって飛んでくるんだ…」 先の尖った棒は男に向かって飛んで、いや、落ちていく。そして 「アーーーーッ!」 男に刺さってしまった。しかも頭に突き刺さってしまい男は即死だった。 しかし次の瞬間、男の死体はいきなり発光し消えてしまった。 残っていたのは倒れてしまった自転車だけで、男の刺されてしまった時にでた血すらも跡形もなく消えていた。
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