第1章

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申し訳ないがお前は明日から来なくていい。 えっ!? クビってことですか? そういうことだ 私の名前は『堀本 隆之』43歳 独身 先ほどまではサラリーマン 現在無職 アパートで1人暮らし 頼れる人もいない これからどうすれば良いのか途方に迷う。 幸い妻も子供も居なく、スーツを着て公園で時間を潰さなくても良いがいつもいつもコンビニの弁当で食い繋いでいく。 職を探すが43歳で資格もない私を雇ってくれるほど世間は暖かくない あっという間に退職金も底をつき始めてきた この先どうすれば・・・ 悩みに悩んだ結果わたしは今コンビニへ来ていた 帽子にマスクを付け、右手には包丁を持ちながら若い定員に「金を出せ」・・・ もう何もかもお終いだ 人生を賭けた私の手には5万円ほどのお金だけ 「俺の人生はなんてちっぽけなんだ」独り言を呟く その日の午後ふとテレビを付けるとニュースに私の強盗が報道されていた 恐怖に怯えると同時に微かな興奮が産まれた 数日後私は警察官に手錠をかけられ 刑務所にぶち込まれた 刑務所では美味い飯とは言えないが3食キチンと用意された なんでこんなことに・・・ でも久しぶりにあんなにドキドキしたなぁ・・・ 3年が経ち私は塀の外に出ることが出来た もう46歳になり前科者 ますます世間の目は冷え切っていった どうしよう・・・ またやるしかないのか・・・ どうせ捕まっても3食でるし寝る場所もある 私を心配してくれる人もいない どうせやるなら完璧にやってやる 私は心の隅で産まれた興奮を忘れられないでいたのだろう 生きるためと思ったが結局、興奮をまた味わいたかっただけなのだろう 今度は計画的に 大胆に 慎重に
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