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微妙な空気を一掃し一気に明るい雰囲気に変えてしまう望の存在に何度助けられたか。
「ノンちゃん!お疲れ~ナイスタイミングだね。そろそろ来る頃だろうと思ってノンちゃんの分もコーヒー淹れたとこだよ」
そろそろ来る頃って、、普通でいったら平日の真っ昼間は仕事のはずだが、百合は望が此処に来るのを知ってたのか?
「本当!?さすが百合ちゃん、ありがとう」
どう致しましてと湯気の立つカップをみんなの前に置き自分のデスクに座った百合がカップに口を付け一息ついた。
「店以外で全員集まるのって何か久々だね‥しかもこんな時間に」
熱々のコーヒーを啜り見渡せばいつもの顔ぶれが同じようにズズッとカップを傾けている。
「あー、そう言えばそうだな」
週末といえばいつもの場所『サンライズ』で
そんな時望が何かイイ事を思いついたようにピョンと立ち上がり
「ねぇねぇ、折角だしみんなこれから暇なら久々に夜飲みに行かない?ねー百合ちゃんイイ考えでしょ?」
名案でしょ?と声を弾ませ満面の笑みを浮かべる。
「いーね♪行く行くー!あっ!!どうせなら当麻さんの所でご飯食べてから行こうよ」
「それイイー!当麻さんの所のパスタ久々に食べたい!」
「当麻さんの顔見て萌えたいっ!」
「シャンパンもいーね♪」
いつものように顔を会わせる俺達4人。
「たまにそれもいいね。今回の案件の成功のお祝いを兼ねて祝杯あげるのも‥それに匡樹さんにお礼しなきゃでしょ?」
今回の案件であのゲイハから情報収集に貢献してくれた匡樹さん。
ま、その代償として寒空の下夜を明かす羽目になったのは想定内といえば想定内。あの人の事だからもっとえげつない条件を提示してくると腹を括っていたので、逆にそれくらいで済んだと言えば『パシられた』なんていう気持ちも少しは楽になる。
「だな!んで、匡樹さんのとこで朝まで飲み明かすか」
望と百合が両手を広げ「飲んだくれ賛成!」と歓声を上げ、それに同意するようにユキは小さく頷きカップを傾ける。
相変わらずの顔触れに思わず頬が綻ぶ。
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