第1章

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採用されたモチーフを少し変えてリングとピアスにしてみた。 結局、クロスに蛇が巻き付いているというテンション上がって作ってしまった一番面倒なモチーフに決まったんだけど、 蛇を長くしてリングにして、ピアスは蛇のイヤーカフスとピアスって感じにした。 蛇って言っても、蛇っぽいってだけで造りは凝ってなくて、クロスの方が少し女性っぽいフォルムにしたから中性的な感じになったんだと思う。 なんだか蛇ってモチーフ自体が女子が嫌がりそうだし、まさか採用されるとは。 完全に柴門君に着けて欲しいのを選んだんじゃないかって思ったけど、売れたり盛り上がるなら何でもいいのかもしれない。 「あ、これ自腹で買ったシルバークレイで作ってるから後で返してね」 「……へ?」 数日経って、出来上がったリングとピアスを渡す時にそう言うと、彼はとっても間抜けな声を出した。 「シルバークレイの代金は流石に予算下りないでしょ?だから」 「……わかった」 貰えるものだと思ってたんだろうか。 予算で買った物なら、別に学祭と関係無いライブでわざわざ着けてくれたんだしそれでもいいけど。 樹脂粘土じゃ強度に不安があるなと思ってワザワザ買って来たシルバークレイで作ったアクセはあげないよ。 自分じゃ着けないけど、結構上手く出来たしとっておこうかなと思って。 そう言えば、最初はこんな感じで仲良くも悪くもなく、ただただ他人って感じだったな…。 ライブで話題になる様にうちのクラスでpredationのライブに顔を出す人なんかは、柴門君の着けてるアクセについてアピってくれたらしくて。 柴門君自身も、学校でもずっとアクセを着けてくれてて校内でも話題になった。
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