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「練習相手としては俺、イイ線いってると思わない?」
誰に対しても優しい声が耳を擽る。
「真優、俺の事、見て?」
顔を上げると、黒い瞳が微かな光を捕えて茶色く見えた。
でも、彼が捕えるのは光だけじゃなくて。
私の心も視線も全部持って行ってしまう。
「もう一回、しよ?」
躾けられたペットみたいに従順に頷く私。
彼は満足そうに目を細めて、顔が近づく。
それに合わせてゆっくり閉じた瞼が光を全て遮断した時、柔らかい感触が唇に触れた。
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