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「う~ん、どうしよう……」
1枚のプリントを見つめ、ポツリと呟く。
「どうだー? 書いたかー? 具体的にまだ決まってない奴は、進学か就職かだけでも記入しろよー」
担任の細谷[ほそや]先生の声に、わたし、ちらりと聡くんを見る。
聡くんは、早々に書き上げたみたい。
すでにペンを置いて、後ろの席の夏泉くんとお喋りしてる。
わたしはプリントに視線を戻し、小さくため息をついた――。
高校3年生。
そして、4月――。
そうです。
現在、わたしを困らせているのは、第1回目の進路希望調査なのです。
とは言っても、進路はね、決まってるの。
なんと、永久就職。
ついこの間のホワイトデーに、わたし立科優羅は、幼なじみの“聡くん”こと霧谷聡流くんにプロポーズされ、正式に婚約しちゃったのです。
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