第1章 少女

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僕の住む町は四方八方山に囲まれていて標高が199.0mある。 冬はとても寒くて深い雪に覆われる本当に嫌になるほど寒いのである。 夏は夏でジメジメと蒸し暑いし そんな日が何日も続くからとてもじゃ無いけど勉強なんて手につかない。 今は夏休みだ! 午前中に軽く宿題を済ませた僕は川へいそいそとやって来た裾を捲り上げると靴を履いたまま川へとジャブジャブと入る。 右手で川の中の石をそっとめくる。 『駄目だ居ない』 僕は何度も同じ事を繰り返す.....。 ジリジリと陽射しが強くなり僕は額の汗を腕で拭う。 『いた!』 僕は石をポイと投げると水中に両手を忍ばせた。 生物は必死に逃げようと水底を這うが相手が悪い 何せ僕はザリガニ取りの名人だからね一度目をつけられるとお仕舞いさ 「でけ~っ!」 僕はザリガニを高く持ち上げて嬉しさのあまり声を張上げた。 体長12㎝以上は有りそうだ。 僕が捕まえたのはアメリカザリガニと言う奴で本来僕が住む北国には存在しないのだが 昔誰かが川へと逃がしたのが切っ掛けに長い年月を経て繁殖した。 俗に外来生物って言うらしい。
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