第1章 少女

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小一時間ほどザリガニ取りを楽しんで僕は川の真ん中にある大きな石の上で休憩をする事にした。 足首を川水に浸し透明なプラスチックで出来た小さな水槽に入れたアメリカザリガニを観察する。 捕まえたのは三匹 僕の住む町は人口が二千にも満たないちっぽけな所だ! 少子化もあってか一緒に遊べる仲間も限られている真一と真子はまだこの川に姿は現さない。 多分家でゴロゴロとしてるのだろう。 真一と真子は兄妹でこの僕、智史とは幼馴染みだ。 アメリカザリガニを観察していた僕の目に一人の女の子が飛び込んで来た。 『真子?』 水槽を膝に置いて目を細めた。 『いや知らない女の子だ』 「ねぇ君の居る所って深いの?」 「全然平気さ!」 僕は女の子に叫ぶと立って見せた すると女の子はスカートを膝の上まで上げると束ねて縛り僕の方へと向かって来る。 女の子は僕より確実に年上だ! 色白で白のワンピース姿にツバの大きな白い帽子女の子は僕の目の前で足を捕られてバランスを崩した。 「ここは流れが少しキツいんだ!」 そう言うと手を差し伸べる女の子は躊躇する事無く僕の腕を掴んだ。
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