第1章 少女

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それから彼女はザリガニ捕りに挑戦したり僕が捕まえたアメリカザリガニを逃がしてあげるのを微笑んで見てたりしていた。 その後は大きな石に二人で座り色んな話をするそして彼女が何者なのか知る事が出来た。 彼女は両親が事故で亡くなった事と祖母と暮らす為にこの田舎町へとやって来た事を悲しみを必死に堪えて笑顔で話す。 「水守の婆ちゃんなら僕んちの斜め向かいだよ」 僕はこの時灰色のつまらない田舎町が華やかになるのではと勝手な想像と期待で胸が高鳴った。 餌を物色していた数羽の青鷺が慌てて飛び立つ音にビックリして川辺に目を向けた。 幼馴染みの真一と真子がやって来たのだ青鷺は凄く臆病な鳥だから二人の気配に気付いて飛び立ったのだろう。 僕達は川岸へと戻り真一と真子にこの田舎町の新人さんを紹介した。 自己紹介する彼女の笑顔を見て周りの人を明るくさせる人だなと僕は感じて胸の高鳴りが寄り一層高くなった。 だがこの時の胸の高鳴りは後に違う形で高鳴るなんて今の僕には知るよしもなかった。
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