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「う~ん……」
疲れたからだを伸ばし伸びをする。
やっと終わったよ、ってもぉ11時回ってるし……終電間に合うかなぁ…
「はぁ~…」
「そんなため息ついてると婚期が逃げるよ」
「っ!?」
驚いて振り替えると池田課長がドアの所に立っていた。
「な、何でいるんですか?」
「人をお化けみたいに言わないでよ。
初日だし色々挨拶回りとかしてたらこんな時間になってね。会社の前を通ったら明かりがついてたから誰かいるのかなって気になって」
「それは心配をお掛けしてすみませんでした。
課長にもなるとやっぱり初日でも大変なんですね」
「いや、会いたかった人にも逢えたしそんなに大変でもないよ」
「?」
「それよりいつもこんな時間まで仕事やってるの?」
「まぁ、いつもと言うか最近は仕事が多くてたまに…」
それを聞いて池田課長がムスッとした顔をした。
「女の子がこんな時間に一人で帰っちゃダメだろ。携帯だして」
「?…はい」
よくわからず携帯を差し出すと
「はい、俺の携帯の番号登録しといたから。何かあったらかけて」
…なんだか朝の時と雰囲気が違うような…
「ありがとうございます。なるべく遅くならないように気を付けますね」
チラリと時計を見ると……
「ああっ!終電逃しちゃった!」
話してるうちに時間がたったらしく今日もタクシー決定……
なんか残業代がタクシー代に消えてってる気がする…
…クスッ
「う~、何で笑うんですか?」
「いや、ちょっと思いだし笑い。
崎原さん、よかったら俺の車出すよ」
「……へ?」
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