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「すみませ~ん、遅くなりました~」
居酒屋に入ると店内は賑わっていて、奥のお座敷に通された。
「おお、崎原!お疲れ様。ほら、こことっといたから座れ」
部長が隣の席をポンポン叩いて呼ぶ。
「ありがとうございます」
ちらりと周りを見渡すと美樹と遥ちゃんがニヤニヤしてこっちを見てる。
てか、そんなんじゃないから!
視線で訴えても効果はないらしい。
軽くため息をつくとこそこそ話ながらこっちを見てる人たち。
全く、こそこそ話すくらいなら直接言いにくればいいのに。
部長ファンの子達だ。でも今日は少し雰囲気が違うみたい……。
「崎原さん、お疲れ様」
肩にポンと乗せ池田課長が話しかけてくる。
「……! お、お疲れ様です!」
やばっ!声裏返っちゃった!
「最近仕事忙しそうだね」
優しく微笑んでるように見えるけど、目が笑ってないんですけど……!
「はい、少し忙しくて、す、すみません。あ、えと、あの、新入社員の子に挨拶してきますね!」
「……」
あんなことしといてなんで普通に話しかけられるの…?
私の頭はまたあの日のようにぐちゃぐちゃだった。
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