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私の学校はA、B、Cの三つの校舎がある。
四月から一つ一つ捜してきたけれど隠れられそうなところはない。
「禁じられたところって…?」
いくら走っただろう。
君に会いたくて、話したくて。
ただ、それだけなのに。
顔も本当の名前も知らない。
後ろの席の男の子。
知っているのは、それだけ。
「…っ」
「旧校舎じゃないの?」
突然後ろから聞こえてきた声。
ぱっと振り替えると、私の知った顔がいた。
「闘士…」
そこにいたのは私の幼馴染みの日山闘士だった。
「またエルフくん捜してんのか」
闘士は苦笑しながら私に近づく。
きっちり着こなした制服が眩しい。
「うん…でも、旧校舎って?」
私は闘士にすがるように尋ねる。
闘士はいつも優しく、私を助けてくれる。
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