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 マンションの薄いカーテン越しに赤色燈が明滅するのが見えていた。 カーテンを開けてその様子を眺め見る気持ちにはなれないでいた。 さっきの出来事をもう一度最初から思い出そうとした。 タバコに火を点けて、 座り心地の悪いソファーに腰を下ろした。 そのソファーは、 座るたびに買ってしまったことを僕に後悔させた。 今日は午前中から、 陸でもない出来事があった。 それで疲れた所為か、 関係のない事が頭を掠めて、 ちっとも集中できなかった。 それでも、 少しずつ神経を集中させて思い出そうと努力した。 いずれ、 この部屋にも警察官か刑事が訪ねて来るに違いなかった。 おそらく、 この部屋の真下の階で死体が発見されているはずだった。  その日、 仕事を請けるために雑貨屋へ行った。 珍しく午前中に行った。  雑貨屋は、 アーケード街の端にある用品店の二階にあった。 雨風をやっと凌げる申し訳程度のアーケードは、 反って商店街を薄暗くしていた。 知らない人は知らない、 知っている人は知っている目立たない店だった。 洋品店のドアの横にある雑貨屋へ通じる階段の入り口に見落としてしまいそうな小さな古い木板に白字で『街灯』と書かれていた。 まだ、
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