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「お仕事ありました?」  箱の中身は便箋と数枚のA4の用紙、 名刺一枚それと携帯電話だった。  彼女は、 文箱に再び蓋をしてからカウンターを抜けて出て、 僕の背中を小走りで通り抜けて入り口のドアへと向かった。 そして、 ガラスドアの内側から外へ向けて見えるように掛かっていた「OPEN」のサインをひっくり返して「休憩中」にした。 ドアのノッチを回して鍵を掛けて、 念入りにもカーテンを閉めた。  李沙はカウンターに戻りながら「さぁてと」とつぶやいた。 戻ると改めて文箱の蓋を恭しい仕草でさっきよりもゆっくりと開けた。 覗き込む僕を「しっ」とうるさい蝿でも掃うように遠ざけてから、 中から便箋を取り出した。
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