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 男は直ぐにY市に入り、 大友の行動を逐一観察した。 大友は自宅と会社を往復する毎日だった。 たまに業界団体の会合や記念式典に出席する事もあったが、 一人で自宅から出かけるようなことは無かった。 出かけるときは玄関に直接横付けされる会長車で目的地まで出かけて行った。 帰宅時はその反対に目的地のエントランスから直接車に乗り込み自宅の玄関で降りていた。 同行者は運転手と秘書にしては屈強な体躯をもったスーツ姿の社員だった。 おそらく大友グループ系列の警備会社の社員と想像できた。 格闘技の心得もあるだろう。 大友は国の要人警護とまでは言わないが、 それでも自分の身に危険が及ばないよう十分注意をはらっていた。 外で行動するときは、 半径5m以内に必ず私服の警備員が2名以上いた。
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