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遠巻きになって怖いもの観たさに見物している野次馬に混じって不動産屋と大友もそれを眺めた。
「大友、
どう思う。
あいつ。
スカウトするか? 元気良さそうじゃないか」
「どうしてですか」
「今日の会合で上の方から仕事を急げと言われた。
正攻法じゃ埒が開かないやつ等も増えてきた。
ここらで一つ、
ゴネているやつらの一人をピックアップして血祭りに上げろとさ」
不動産屋はまるで他人事のような口ぶりで大友に告げた。
嫌がらせ程度の仕事から法律すれすれの事をやれとのお達しだ。
言葉の裏には、
それ以上のことを要望された事が汲み取れた。
そんな汚れ仕事のためには、
率先して汚れ仕事をこなし、
そして、
いつでも切り捨てられる都合の良いフリーの人材が必要だった。
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