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八
意外にも三條の仕事は素早かった。
次の日の昼前には僕が頼んだ事をあらかた調べて報告してくれた。
僕は、
三條に同じ事を何度も確認しながら、
出来るだけ正確に話しの内容を記憶した。
それから、
大友邸を訊ねた。
昨日あんな事件があった後だったためか、
個人の家では有り得ない厳重な警戒態勢が布かれていた。
もちろん、
警察ではなく、
大友警備保障の警備員たちだった。
僕が来訪することを聞かされていたのか、
玄関口に歩哨のように立っていた警備員が、
大友の娘由佳里から僕への伝言を預かっていた。
内容は、
大友は病院から戻っていない事、
今日の行事予定は全てキャンセルした事、
そして僕にまだ仕事を続ける気があるなら病院へ来て欲しいとの事だった。
もちろん、
僕は病院へ向かった。
病院へ到着して急いで大友が入院している部屋行くと、
昨日までには無かった『面会謝絶』の表示がドアに貼られていた。
病院のドアの前には、
本当の警官が一人だけだが大友を警備していた。
その制服警官に名乗り、
面会に来た旨を伝えると、
警官は指示されていたのだろう、
僕に帰るよう命令した。
僕がしつこく食い下がっていると、
ドアが開き大友由佳里が顔を覗かせた。
そして、
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