第1章

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  「宮倉さん、また志水とあれですか」  瀬戸が隣席の三課庶務、坂下璃子に小声で話しかけると、坂下は首を縦に振った。  「また結構言っちゃったらしいよ」  「ありゃー、課長また志水ですかね」  「いやいや、今度は四課も絡んでるって話よ」  「うへぇ、……あ、でも四課の課長は白井さんだからいいかな」  最初は小声だった二人は話が進むにつれ大きくなって松浦の耳にもしっかりと届いていた。  「……瀬戸、暇ならラデック行って仕事貰ってきて。あと一押しだっただろ」  「っのわ、い、行ってきまーす 」  わたわたとデスク回りを整理をする瀬戸を見ながら松浦は小さく笑って、一つため息をついた。  
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