第3章

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 「ありがとうございます。白井さん、調子どうですか?」  「んー、ぼちぼち。いいなぁ、お前ら一緒でー!なぁ山下うちにくれよ」  ぐいっと自分のグラスを空けた白井はそれを山下に渡すと瓶を持ち上げビールを注いだ。  「やだよ」  白井は松浦のグラスにもビールを注ぐ。  (もう飲みすぎなんだよなぁ……酔って迷惑かけたくないし…)  チラリと女性陣席を伺うと、瀬戸に長門、他二名追加で黄色い笑い声に包まれていた。  宮倉はさっきと変わらず脇に二部一課の秋野さんと一部四課の日暮さん。  日暮さんは社一の美人でさっきから宮倉に何事か話しかけている。  宮倉を狙っているのかもしれない…そう思うと口が酸っぱくなった気がしてビールを飲んだ。  当の宮倉は仏頂面で黙々と飲んでいる。  白井と山下に相槌を打ちながら、注がれる度に飲んでしまう。  「なぁ、後で白井の部屋行くかも、」  「ん?いいぜ、今日はとことん飲むか?」  にかっと笑う白井につられて笑う。  「あ、いいですね。俺も行こうかな、」  「おう、こいこい!!」  二人が笑い合うのを見ると、松浦は以前の課を思い出す。  楽しかったな、と思う。  何の蟠りもなく仕事に向かえた。  (好きな人を見ながら仕事が出来てるんだから、楽しまないといけないよなぁ、)  持ったグラスを揺らしながらうっすら自嘲していると、「課長!」と慌てた瀬戸が聞こえた。  「ん?どした?」  顔を上げると山下の後ろに瀬戸が立っていて、ちょっと困った様子でちらちらと女性陣席を見ながら松浦を手招いた。  「ちょっと宮倉さんが、」  「え!?」
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