努力の仕方

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「最初は気になるぐらいで、たまに目で追っているだけだった。だけど健気で一生懸命なところが見えて、どんどん惹かれていった。 …でも最初、梨乃は全然俺に興味ない上に、梶原先輩が好きだし、ちょっと焦った」 「……佐野君が…?」 いつも余裕の佐野君が焦ることがあるの…!? 「梨乃、ずっと俺のこと拒否するし、こんなに思い通りにならないのは今まで経験したことなかった。…梨乃が初めてだった。だから…」 「きょ、拒否なんてしてない…」 私は首を横にふった。 「…そう?  いつも嫌々俺の世話しているように見えたけど」 「嫌々って言うか… 佐野君がわかんなくて…」 佐野君はまたふっと笑った。 少し困ったような顔で… 「…だから今日、梨乃が心配して保健室来てくれたことが嬉しかった。梶原先輩との誤解を解きたくて必死な梨乃をみて、 …可愛いなって」 「……ッ!!」 あまりの驚きに涙がまたポロリとこぼれた。 流れる涙そのままに私は佐野君を見つめた。 「……梨乃…」 佐野君は私の名前を優しく呼ぶ。 ゆっくり私の頬を流れる涙をぬぐいながら。 「…梨乃、泣き過ぎ」 ふっと佐野君は笑った。 「………だって…!」 「梨乃…俺のこと、信じて…」 「!!」
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