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「さ、行くよお兄ちゃん。面倒だからってさっさと帰らないでよね」
釘を刺される。流石にそう何度も逃げれはしないな
「分かってる。さっさと行こう」
俺と雪乃は学校を出て自宅付近のスーパーに向かった。
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
またか。
ここ最近、やたら心臓の鼓動が激しい。
「どうしたの?顔怖いよ?」
「いや、何でもない。すまなかった。」
「そう?ならいいけど。」
少し昔の話をしよう
昔、ある事件に俺は巻き込まれた。テロにな。
7年前、家族で海外旅行へ行った帰りの飛行機。そこで俺たち家族はハイジャックにあった。
乗客は一人も死んではいなかった。ただ、意識不明の重体が1人。
俺だ。
ハイジャックに狙われ、人質となったのは妹である雪乃だった。
俺は隙を見て、雪乃を救出。それと同時にパイロットの方やその他の男性数名がハイジャック犯を取り押さえた。
だが、その際にハイジャック犯が持っていたオートマチックハンドガンが暴発。
弾丸は俺の心臓に直撃し、ほぼ即死状態だった。
だが、何故か俺は生きている。
話で聞かされただけだから、記憶はほとんどない。
俺が覚えているのは、その事件のあと手術室で聞こえた言葉
ーーーこんなのは人じゃない!ーーー
あれが一体俺の体に何の関係があるのかは分からない。
あの事件以来特にこれと言ったおかしなことはなかったからな
まぁ、そんな話はともあれスーパーでの買い物もすみ帰り道。
まだ日没はしていない。夕方の5時くらいだろう。
その時俺は、近くから何かの視線を感じていた。だが、気のせいだろうと無視し続けていた。
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