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「お医者様を、呼んでも意味はないよー?」
「っく・・・誰だ・・・・」
今さっきまで誰もいなかったはずの路地から一人の男が現れた。
その男は長身で全身を黒い靄が覆っている。
一言で言うなら気味が悪い。
「っハハハハ!僕かい?僕はねー・・・・君を殺す神だよ!」
神を名乗る男の目つきが変わる。
ヘラヘラとした俺たちを馬鹿にするような目から、一変し憎悪に満ちた、殺意のこもった目に変わる。
まずい。このままでは雪乃まで巻き込まれる。
どうする。どうすればいい!?
心臓の痛みと呼吸の不自由で身動きが取れない。
「ハハハハ!悠闇君。君はねぇー、この世界にはいちゃいけないんだよぉ!だからさぁ!消えよぅねー?」
俺の存在がこの世界にはいらないだと?
一体どういうことだ。訳が分らない。
クソ!せめて動けてさえいれば
「ふーん。悠闇君を殺すのにそこのお嬢ちゃんが邪魔だなぁー。」
っ!?こいつまさか!?
雪乃まで殺す気じゃ!
「神・・・だか、なんだか知らんが・・・・雪乃・・は・・・殺させない」
「ッハハハハ!!殺しはしないよぉー。ちょーっと眠ってもらうだけだよぉー」
男が腕を伸ばすと、同時に雪乃の体は力なく倒れその場に伏した。
「雪乃!っぁ!?ク、はぁ・・・はぁ・・・・・クソ!」
「ハハハハ!さぁてー邪魔物を排除しなきゃねぇー。それじゃあ、バイバイだよぉ!悠闇君!」
俺も、ここまでか。
そう思い目を閉じた。
だが、一向に痛みが来ない。
薄れ行く意識の中で最後に誰か人影が俺の視界に写ったような気がしたが、俺の意識はそこで途絶えた。
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