一.私と一緒に、寝て、くれません、か?

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「……うん」   そのまま、洗面所に放り込まれた。 惰性で顔を洗うと徐々に目が覚めてくる。 「おは、よう。来嶋」 「なにがおはようだ。さっきまで寝ぼけてた癖に」 「そう、だっ、け?」 「まあいい。朝めし、食え」   首を傾げてみたら、 来嶋はいつもみたいに笑ってテーブルについた。 テーブルの上には朝ごはんがのっていた。 「朝ごはん、いらない。コーヒーで、いい」 「あのなー、そんなんだから、 いつまでたってもちっこいんだぞ? 味噌汁だけでいいから飲め」 「……うん」   渋々座って、お椀を手に、お味噌汁を啜る。 「……おいしい」 「そりゃよかったな」   来嶋はやっぱり笑ってる。 なんだか倖せな朝ごはん。 それから登校の準備して一緒に大学へ行く。 なぜかまわりからからかわれたんだけど……なんでだろ?
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