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梅雨が明けると霜山先生のお仕事が忙しくなったらしく、
まだゼミに所属していない私も借り出された。
……というか、ゼミの人間以上にこき使われた。
霜山先生の専門はロボット工学で、
特に制御プログラムの開発をやってる。
私はお父さんの影響で、
中学校に上がる前からそういうことをやってて、
人並み以上に詳しかったりする。
しかも、お父さんと霜山先生は大学時代からの友人で、
家にもよく出入りしてたから、
いろいろ教えてもらったりしてた。
そういう訳で。
大学は霜山先生のいるとこ選んで進学したし、
入学前から研究室には出入りしてた。
おかげでこういうとき、こき使われる羽目になる。
「おーい。開けろー」
ドアを叩く音とともに、来嶋の声がした。
「……なんか、用?」
データの入力に集中してたとこだったから、
私の機嫌はすこぶる悪い。
「……めし。おまえまた、めし食ってないだろ?」
大きなスーパーの袋とともにやってきた来嶋は、
私の返事なんか待たずにずかずかと部屋に上がると、
キッチンを占領した。
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