二.ずっと一緒にいられたらいいのに、とか思うのは、気のせい

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「……そんなこと、ないと、……思う」   ……ここのところ霜山先生から押しつけられた入力を ずっとやってたから、ちょっと記憶が……曖昧だ。 「今日の朝めし、なん食った?」 「コーヒー、と……」   ……あれ?なんだっけ?そもそも、食べたっけ? 「昼めしは?」 「コーヒーに、砂糖とミルクを、たっぷり、 入れて……あとは……」   ……ああなんか、それで満足して終わったような……。 「それで、晩めしは?」 「……まだ」 「まだってことは、食う気はあるんだよな? その割にこのキッチンはなんだ?冷蔵庫の中だって空」   目の前に広がってるのは、 どうみても料理なんてした形跡のない、 カップばかりが積み重なったキッチン。 「おまえさー、その集中力は賞賛に値するけど。 もうちょっと自分の体のこと、気遣え」 「……うん」
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