二.ずっと一緒にいられたらいいのに、とか思うのは、気のせい

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ため息をつくと、 来嶋は袋からいろいろがさがさと取り出して、 料理を始めた。 それを眺めつつ、私はまたパソコンへと視線を戻す。 「まー、大体、おまえが恐ろしい量をこなせるもんだから、 それをいいことに更に押しつけてくる 霜山教授も問題だけど」 「うん」 「少しはおまえも、断れよ。そのうち死ぬぞ?」 「うん」 「……って聞いてる?」 「うん」   頭は既に、入力モードに切り替わってたから、 ただ条件反射で返事を繰り返す。 「……はぁーっ。まあいい。もう暫くはやってろ」 「うん」   ひたすら手元のデータと、画面を見比べて打ち込んでいく。 ……ふと、部屋の中に美味しそうな匂いが 漂ってきているのに気が付いて、手が止まった。 「……おなか、すいた」
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