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「私と一緒に、寝て、くれません、か?」
「……それって本気でいってる?」
目の前の男の人――来嶋大希(くるしま だいき)は、
何故か大きなため息ついて、頭を抱えてる。
「本気、だけど?」
「……わかった。ちょっとこい」
なんでそんなこといわれるのかわからなくて、
首を傾げてみたら、また大きなため息をついて来嶋は、
私――倉橋ちづるの手を掴んで足早に歩き出した。
連れてこられたところは、人のいなくなった講義室。
「おまえなぁ?
どういうつもりでそんなこといってるんだ?」
「……ひとりで寝るのは、嫌、だから」
来嶋は怒ってる。
こんなこと頼めるの、
来嶋くらいしかいなかったから頼んだのに、
ダメ、だったのかな……。
「ひとりで寝るのは、淋しい、ってことか?」
「うん。そう。ひとりだと、よく、眠れない、から」
「……初めっから、そういうふうにいえよ……」
またため息をつくと、今度は呆れたように笑ってる。
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