一.私と一緒に、寝て、くれません、か?

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「私と一緒に、寝て、くれません、か?」 「……それって本気でいってる?」   目の前の男の人――来嶋大希(くるしま だいき)は、 何故か大きなため息ついて、頭を抱えてる。 「本気、だけど?」 「……わかった。ちょっとこい」   なんでそんなこといわれるのかわからなくて、 首を傾げてみたら、また大きなため息をついて来嶋は、 私――倉橋ちづるの手を掴んで足早に歩き出した。 連れてこられたところは、人のいなくなった講義室。 「おまえなぁ? どういうつもりでそんなこといってるんだ?」 「……ひとりで寝るのは、嫌、だから」   来嶋は怒ってる。 こんなこと頼めるの、 来嶋くらいしかいなかったから頼んだのに、 ダメ、だったのかな……。 「ひとりで寝るのは、淋しい、ってことか?」 「うん。そう。ひとりだと、よく、眠れない、から」 「……初めっから、そういうふうにいえよ……」   またため息をつくと、今度は呆れたように笑ってる。
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