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「ダメ?」
「いいよ。買い物しておまえんち、いこうな。
どうせまた、ろくに食ってないんだろ?」
「……わからない」
「そーだろーなー。おまえはそういう奴だもんなー」
何故か来嶋は笑ってる。
来嶋の笑顔を見ると、なんでか嬉しくなる。
恐る恐る手を握ってみたら、
どうしてか頭を撫でられて、握り返してくれた。
来嶋との出会いは。
三ヶ月前くらいに遡る。
……たぶん。
まだ長袖の頃だったと思うから。
いろいろ生活に不安があるくせに、
大学入学と同時にひとり暮らしなんか始めて。
何故かその日、
ばったり倒れてしまった私を医務室に運んでくれたのは、
偶然通りかかった来嶋だった。
「……ここ、どこ?」
気が付いたら、さっきいたのとは全然違う場所で、
知らない男の人が私の顔を覗き込んでた。
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