倖せな生活が送れそうです

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二年ぶりに来嶋と並んで歩く。 たったこれだけのことが、嬉しくて仕方ない。   霜山先生に借りてきた、って車にスーツケースを乗せる。 促されて助手席に座ると、来嶋は車を出した。 ちなみに。 来嶋はいま、大学院生をしている。 「いまからどうするんだっけ?」 「今日は、ホテルに、泊まる。 明日、大学に顔出して、倉橋の家に、帰る」 「それから?」 「また、住むとこ、探して、来月から、大学に、戻る」 「……それなんだが」 「……うん?」 「一緒に暮らさないか?」 「うん?」 「いちいちおまえんち通うの、面倒くさいし。 それにしょっちゅう泊まるだろうから、 家賃もったいないし。な?」 「でも、倉橋の両親が、許してくれない」 「それはだな。 俺、この二年でいろいろ霜山教授の弱点掴んだから。
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