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「…大学は本当に必要だと思えた時に行っても遅くないと思うんだ。
今みたいにやりたいことが分からなくて進みたい学部が曖昧な状態で行くよりも、しっかり目標が定まってから通いたい。
それよりも私は今1番大事だと思えることを優先したい。
しばらく東京を離れていたみゆが戻ってきた時、不安にならない環境を私が整えておいてやりたいんだよ。
誰の手も借りずに自分だけの力でみゆを迎える環境を整えてやりたい。
そんなのどこまでできるかわからないけど、そうしたいんだ」
フジの目を真っ直ぐ見つめながら真剣に話した。
自分が言っていることがどれだけ無茶苦茶か分かっている。
それをフジに分かってもらおうとすることがどれだけ無茶苦茶かも。
だからこそ、私は私の気持ちを真摯に伝えなくちゃいけないと思った。
「だあぁー!!」
暫く黙って私と見つめ合っていたフジが頭を掻き毟りながらガックリと項垂れる。
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