星の海の司書神様

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「なるほど、創造神試験に落ちてしまわれたのですね」  そうだよ、なんか文句あるのかクソ。なんだよ、なんでそんなにじっと見るんだよクソ。どうせブサイクで気持ち悪いんだろ俺の顔。 「クソクソ言う割に変にネガティブなんだよねー。いろいろ大変だと思うけど後頼むよ、メルヒェンちゃん」  そう言って早足で図書館を出る先代クソ神。ふざけんじゃねえ。帰るの早え。まだ俺ここで働くって決まったわけじゃねえぞ。やっぱあの神ろくなやつじゃねえ。 「私は貴方の顔嫌いじゃありませんけど」  そう言って彼女はクソ神に気を取られていた俺の顔の輪郭をなぞるようにペタペタと触る。身長差が少しあるようで、視界を塞がれる前にその指は動きを止めた。何してるんだこいつ。なんだ? 天然なのか? 「自分の認識はできないけど他人の認識はできる……不思議ですね。神格を失いかけの神なんて滅多に見れるものではありません」  物珍しいだけかよ――と思考しかけて、彼女がその翡翠の瞳でこちらをじっと見つめていることに気づく。 「でも、貴方には天職かもしれませんね。少なくとも、現在のここの仕事は」  現在の、と言う言葉が引っかかったが、『天職かも』という単語にどきりとする。それを察されたのか、俺の心の声が届いてしまったのか彼女は笑い、「どうぞ、こちらへ」と俺を奥へと案内し始める。
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