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「では、一緒に乗って行かれませんか?
今日はお菓子なんかを運ぶのに
ワゴンで来ていますから、皆乗れるでしょう。」
先生、とたしなめた秘書を無視して、
どうぞ、と大石は貴子たちを招く。
ですが、と固辞しようとした歩に大石は笑う。
「まあまあ。
僕を知らないと彼女が描けない、というなら
少しでも長い時間を共にした方がそちらにも都合がいい
ということでしょう?
どうせ、都内に帰るのだし。後2時間はかかる。
僕は良い時間の使い方だと思うけど?」
そこまで言われれば、断る術はない。
歩が様子を伺うように秘書をみると、諦めたのか
どうぞ、とドアを開く。
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