10人が本棚に入れています
本棚に追加
沢山の顔、沢山の表情がその笑顔に隠れている。
・・・貴子にはそんな気がした。
彼にとって必要な表情を選ぶことは仮面を選ぶことに
似ているのかもしれない。
彼は一般の人が手に入れることの出来ない多くの物を
得ることができる。
だが、その代わり
本当の自分で生きていくことだけは出来ないのかもしれない。
自分の操縦する飛行機で世界を回りたいと言った時
大石の顔はとても悲しげに見えた。
人は夢を話す時、きっと、一番笑顔が輝くはず。
でも、彼にとってそれは悲しくなることなのだ・・・。
最初のコメントを投稿しよう!