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『夜風』はある意味、自分の処女作ともいえる作品です。当時、某同人誌に載る予定だったのですが、突然の同人解散により、日の目を見ずに封印された幻の作品です。
【アルペジオ】と同じく幽霊ネタでした。
主人公は、十代のゲーセン店員。両親は離婚し、母方に育てられるという点は、【結び目】と似た設定です。
ある日、離婚した元父親から突然、主人公に電話がかかってくる。何年もの間、疎遠にしていた父親からの突然の電話。急遽、父親に会いに行く羽目になる主人公。ゲーセンの終わる、夜中に仕事を終え、父親の家までバイクで向かう。その途中、ひとりの女のコの霊と出逢う。寂しそうな彼女を放っておけず、つい立ち話をしてしまう主人公。けれど、本来の用事を思い出し、女のコと別れて父親に会いにいく。父親の家に着いて、驚く主人公。そこでは、さっき出逢った女のコの通夜が行われていた。そこで驚愕の事実を知る。亡くなった彼女は、幼い頃に生き別れになった妹であることを。
【夜風】の原案は、自分が十九歳の頃で、もう二十年以上前です。小説と呼ぶには、あまりにも稚拙で欠陥だらけの作品でした。
それでも、自分には思い出深い作品であります。
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