第一章

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そんな事を考えながら、今一度辺りを見回す。 知らない所にいながら、こんなに冷静な自分に笑ってしまう。 サワッ ――今、音が聴こえたような気がした。 真っ暗なうえ、月の光しか無いので恐怖を誘う。 ――暗い所は苦手だ。本物の幽霊も。 いつの時代か知らないが、殺し合いが絶えない時代と言う事は嫌でもわかる。 それに、月の光が夜の闇を一層誇張しているのだ。 恐怖を心の中に隠し、音がした方に目を向ける。
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