第13章:愛しのラビリンス-後編-

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「充さん…酷いわ!どういうことなのっ!ひっく、酷いわ!許せない、お父様に言い付けてやるわ!ひつじ、あなたその鞄一緒に持って来てちょうだい。今夜は私、違う部屋に泊まるわ!あぁ惜しかったわね、買ったばかりだったのに今日の下着。残念ね、さようなら!」 ルナは、扉の前にいる奈央子たちを押し退けて行ってしまった。 「おっ!お嬢様!しかし私は…」 ひつじは あくまでも野城家に雇われている身。 しかし、相手が相手だけに迷ったのか「すぐ連れ戻して参りますから」と野城に頭を下げ、ルナに続いて部屋を出て行った。 ルナは廊下を、エレベーターまで威勢よく進んで行った。 そのエレベーターの前にはオッサンがいて、また優に向かって叫んでいる。 優はルナの後ろ姿を見ながら、誰に話かけるようでもなく、曖昧に呟いた。 「今 行くから」 その瞬間に奈央子は、自分の心臓がバクンと揺れるのを感じた。 間違いなく、感じた。 優はオッサンの後に連いて、走る体勢に入った。
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