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「優!どうして…っ!?」
しかし優は答えなかった。
嘘だよね?
だってだって、今日は一緒にあの部屋で…約束したよね?
私をこんな所に一人にして行っちゃうの!?
「すぐ帰る」って言われただけで納得するような、軽い女じゃないし、私はそこまで馬鹿じゃない。
貴方に、助けてのサインを必死に送っているのに
「優!!」
沢山の想いを一言に込めるようにして叫ぶと、優は頷いた。
「大丈夫だ。あんな…」
優はそこで一旦 区切り、声のトーンを落とした。
「俺がいたらな、そいつ余計に反抗して離さねぇんだよ。俺がいなくなったら、離してくれるから」
奈央子がそれに対して「え」と言った声は、野城の「へえー。そうなの?」と言う言葉に掻き消された。
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