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「のっ…!!」
奈央子の右手を掴んでいるのは、野城 充。
扉の縁に立ち、奈央子の右手をしっかり捕らえ、行かせまいとしている。
今この場に来たばかりなのか、鼻息が僅かに荒い。
そして、その表情は―…。
「のっのっ、野城くんっ…!?」
「野城! 何やってんだよ!!!」
久しぶりに高い天井までストレートに響いた 優の、声。
数メートル先を走っていたオッサンは、素早く反応してこちらを振り返った。
「はっ、離してよぉ!わっ、私‥えと、お邪魔しました!もう部屋に戻るから―…」
優はユーターンして奈央子の元にゆっくり歩み寄りながら、野城を睨みつけた。
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