第13章:愛しのラビリンス-後編-

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「のっ…!!」 奈央子の右手を掴んでいるのは、野城 充。 扉の縁に立ち、奈央子の右手をしっかり捕らえ、行かせまいとしている。 今この場に来たばかりなのか、鼻息が僅かに荒い。 そして、その表情は―…。 「のっのっ、野城くんっ…!?」 「野城! 何やってんだよ!!!」 久しぶりに高い天井までストレートに響いた 優の、声。 数メートル先を走っていたオッサンは、素早く反応してこちらを振り返った。 「はっ、離してよぉ!わっ、私‥えと、お邪魔しました!もう部屋に戻るから―…」 優はユーターンして奈央子の元にゆっくり歩み寄りながら、野城を睨みつけた。
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