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「!…」
「わっ」
の~っ!!!
何なの!
私の事はもう冷めたんでしょ!?
奈央子にとって、異性に"後ろから"抱き寄せられるのは初めてのこと。
その時、優が右手を拳にして握り締めているのが見えた。
…ヤバイ。
今まで優の"そういう所"を見たことは無いが、自分の知らない所ではあるのかもしれないし、それに優の性格上、あってもおかしくはない。
だが奈央子の不安より先に、野城が、静かな口調で言った。
「早く行きなよ?優。何してんの」
「おまえ、喧嘩売ってんの?」
同じく、静かな口調で答える優。
「"父さん"の最期、見に行くんでしょ?」
「…………」
「昭仁さん、待ってるよ」
「…………」
「危篤なんだってね?早くしないと、もう逢えないかもしれないよ?
ま、俺は別に良いんだけどね」
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