第13章:愛しのラビリンス-後編-

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「!…」 「わっ」 の~っ!!! 何なの! 私の事はもう冷めたんでしょ!? 奈央子にとって、異性に"後ろから"抱き寄せられるのは初めてのこと。 その時、優が右手を拳にして握り締めているのが見えた。 …ヤバイ。 今まで優の"そういう所"を見たことは無いが、自分の知らない所ではあるのかもしれないし、それに優の性格上、あってもおかしくはない。 だが奈央子の不安より先に、野城が、静かな口調で言った。 「早く行きなよ?優。何してんの」 「おまえ、喧嘩売ってんの?」 同じく、静かな口調で答える優。 「"父さん"の最期、見に行くんでしょ?」 「…………」 「昭仁さん、待ってるよ」 「…………」 「危篤なんだってね?早くしないと、もう逢えないかもしれないよ? ま、俺は別に良いんだけどね」
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