1人が本棚に入れています
本棚に追加
奈央子は まるで、自分の気持ちが分からなかった。
さっきまで、野城に心揺らいでいた自分の心が、理解出来なかった。
目の前に優が、居るのに…。
ずっと見ているのに、私……私
奈央子は無力さにもどかしく思えて来たが、元々 力の幅が何もかも違うのだから、仕方ない。
「ほら。優、早く行かないと?」と言った野城は、自分の顔を、直ぐ下にある奈央子の頭に口付けた。
実際は髪の毛に唇が触れたに過ぎないが、それでも奈央子にとってはドキッとしたのか、「あっ」という小さな声を漏らした。
優は顔を高揚させ、益々 野城を睨み付けた。
最初のコメントを投稿しよう!