第1章

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これはとある少女のおはなし 彼女は、平成12年,2月,11日生まれの14歳。 夏を少し過ぎたくらいの秋頃、衣替えを数日前に迎えた過ごしやすい今の季節。少女は、数週間後に控えた合唱コンクールの朝練に向かうため足を急がせた。 学校に着くやいなや、少女はホワイトボードに書かれた時間割に目を向けた。 今日の時間割は、社会,体育,国語,理科,総合。少女は"体育”というワードを見つめ1つ溜め息をついた。べつに体育が嫌いなわけでも苦手なわけでもない。ましてや、自分の好きなダンスを選択しているので、溜め息の原因はもっと別のところにあるのだろう。 少女は、合唱コンクールの練習を終え、教室の後ろに下げてある自分の机を元に戻し、1時間目の授業の準備をしていた。 今日の社会は地方自治体について。少女は、そこまで勉強が得意というわけではないが今日は、いつもより分かる気がして内心嬉しく思っていた。 だが、授業が終わりに差し掛かるにつれて彼女の顔は曇っていった。 「あぁ。次、体育だ...」 と、呟いた声も、誰かに届くわけもなく授業の終わりを告げるチャイムと号令にかき消されてしまっていた。
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