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ドーム爺さん
アユタに教わったドーム爺さんの家は、
この町でも珍しい高台にあった。
高台といってもまるで教科書の写真で見た事のある古墳のような形をした丸っこい台地の上に建っていた。
町の商店街の通りから、
かなり外れた場所にあって行く道すがら家の数がどんどん少なくなっていった。
その代わり、
だんだんに田んぼや畑が広がっていって、
道も細くなっていった。
この町にこんなに田んぼや畑があったんだ。
たまに農作業をしている人が居たけどこんな町の外れまで一人でくることがなかったので少し心細くなってきた。
来なきゃよかったかなと少し弱気になっていたとき、
空から「ぴぃ」というトンビだろうか鳴き声が聞こえた、
見上げるとその大きめの鳥は一度高く舞い、
円を描きながらドーム爺さんの家の建つ高台を覆う森の中に消えていった。
学校の教室の窓からアユタの指差す方を見たときより、
実際の高台の森は深かった。
だいぶ近づいたつもりだったが、
まだ目指すドーム爺さんの家は見えなかった。
「ホントにここかなぁ」
ドームの屋根を目指して来たつもりだったけど、
つい独り言で弱音がでていた。
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